青い海と空のみちのく八戸から 波動はるかに 第8回 最も小さきこと

 齢数字の重さがだんだん増して、必ず訪れる初めての体験を意識するようになって、断捨離という言葉も考えるようになった。自身を取り巻く物の整理もあるが、生きものは自然に断捨離しているのかもしれない。自身が手にいれたと思っていたものを手放していく過程がエイジングだとすれば、次第に少なってゆく残りものうち、最後まで残るものは何だろう?それは私たちそれぞれが持つ「私」というものかもしれない。結局、私たちは私たち自身の一番大事にしてきたものを同伴者にして、訪れるものを待つのだろう。そうして、最も小さきものに還ってゆく。

 「オレらしき己の芯を尖らせる」

上斗米治史 (ペンネーム;小出治史)
静岡市浜松天竜区出身。静岡市、横浜市でポーラ化粧品研究所員、七宝制作、保険代理店経営。日本パントマイム研究所研修生時、大野一雄、土方巽に傾倒。佐々木満、辻征信と3人で舞踏カンパニー「黒馬団」活動ほか。写真家土田ヒロミ氏、七宝家土田善太郎氏、画家佐藤泰生氏と長年交友。川崎のシニア野球3チーム時代二刀流で活躍。202312月より青森県八戸市移住。八戸市でもシニア野球2チームに加入、始動。2024年春より多文化・多世代・多言語交流館「みらいえchez Kamitomai」ギャラリー館長。八戸市鴎盟大学入学48期生。著書;「六月の田園」2008年マンマル社刊。

(モルゲンWEB20241225)

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